「単純作業の繰り返しではないからこそ、難しくて楽しい」工事部部長が語る大工職の魅力
Category:工事部の仕事匠工房の文化
匠工房では、施工品質を向上しお客様のご要望に迅速に対応できるように、社員大工を採用しています。今回は、工事部の部長であるYさんにインタビューし、工事部のチームとしてのビジョンやYさん自身が匠工房の社員大工として大切にしていることについてお話いただきました。
大工職若手社員のインタビュー記事はこちら
▶︎大工職若手社員インタビュー前編
▶︎大工職若手社員インタビュー後編
Y.Sさん
職種 工事部 大工
役職 部長
入社年 2012年
大工の工事業務以外に、工事部の責任者として現場の管理や見積もり作成、若手社員の教育、部のマネジメントを担う。工事の現場では協力会社と連携をとったり、お客様との打ち合わせを行ったりすることが主な役割。
工事部一人ひとりが「現場のスペシャリスト」になること
ー今日はお時間をいただきありがとうございます。さっそくですが、工事部として掲げているスローガンやモットーについて教えてください。
工事部一人ひとりが現場のスペシャリストとして、工事はもちろんのこと、現場管理やお客様対応もできるようになることを目指しています。現場に関わる1から10までを分かっていることが理想ですね。大工の仕事だけ分かっていても管理までするのは難しいですし、現場のことがひと通り分かると、仕事も楽しくなると思うからです。そんな姿を、工事部のみんなが目指せたらな、と思います。
ー品質やクオリティを保つために、工事部としてどのような取り組みをしていますか?
工事部の誰が施工してもなるべく同じ品質になるように、月に1回会議をして、現場以外のところでも勉強できる機会を作るようにしています。まったく同じ現場が一つとしてないので難しい部分もありますが、会議の場で分からないことやできないことをなくせるよう取り組んでいます。
普段は時間を見つけて若手社員のいる現場にまわることもあるので、その場で何か聞かれたら答えることもありますし、作業の様子を見ながら仕上げについてアドバイスをすることもありますね。実物を見ながら覚えていくのが習得までの一番の近道だと思うので、分からないことは質問して、アドバイスに沿って実践することで徐々に覚えてもらうようにしています。
ー大工職として働くスタッフの評価方法について教えてください!
キャリアパスを作っていて、業務習得基準表に基づいて成長を可視化しています。その上で、半年に一度の面談を実施し査定を行います。向上心を持って業務を習得していくことで、評価が上がる仕組みです。
若手の社員大工は部長、課長、協力会社の大工さんなど、一人前の大工と一緒に作業を行うので、習得度のチェックは現場で行っています。若手の習得度を確認するため、協力会社の大工さんにもサポートをしていただいているんです。面談の際には評価点を数えて、自分がどれだけ一人前に近づいたかを自分で確認してもらいます。
ー工事部の部長として、Yさんが今課題に感じていることはありますか?
いかに多くの経験を積んでもらうかが、部としての課題です。大工という仕事は、他の職人に比べて一人前になるまでに時間がかかります。特にリフォームは業務の幅が広く、習得するのがより難しいです。さらに現場の管理となると、左官職人や水道職人など、他の職人の作業内容も理解していなければなりません。そのため、経験を積み重ねてはじめて現場管理まで担えるようになります。
現場で「ああしなさい、こうしなさい」と指示を受けるよりも、自分から興味を持ち、主体的に取り組むことで、気がつくと身についているものだと私自身の経験からも感じているので、ハングリー精神を持って取り組んでもらえるようにしたいですね。
「ものづくりが好き」から「大工の仕事が好き」に
ーでは、Yさんご自身についてお聞きします。大工さんになろうと思ったきっかけを教えてください。
もともとプラモデルなどの「ものづくり」が好きだったからだと思います。その中で大工さんになりたいというわけではなかったのですが、就職活動を始めた頃に実家の近所にあった工務店の募集を見つけ、入社しました。
働くうちにすごく楽しいと思うようになってやりがいを感じる場面も多かったので、これまで大工を続けてきました。最初は親方と一緒に動いていましたが、初めて自分ひとりで工事を終えたときに抱いた達成感、お客様からありがとうと言われた充実感は今でも記憶に残っています。
ー匠工房に入社した経緯を教えてください。
前職の工務店に10年ほど勤めてキャリアチェンジをしようかなと思っていたところ、匠工房に勤めている知人に「一緒に仕事をしないか」と声を掛けてもらったのがきっかけです。
当時の匠工房は工事部を立ち上げて、採用や育成をしていこうという段階だったので、工事以外の部分でも挑戦できることが多くあると感じ、入社することにしました。
ーキャリアチェンジを検討していたということですが、匠工房に入社してから心境に変化はありましたか?
まず、以前よりも働くのが楽しくなりました。前職では不動産屋さんやハウスメーカーさんなどの下請けとして施工を行っていたので、1日中作業だけをしていたんです。一方で匠工房の大工職では作業だけでなく、工事をしながら現場管理もして、お客様と話す機会もあります。そこが楽しくて、大工職としてのやりがいや充実感が増しました。指示通り動くのではなく、お客様との対話を重ねながら、自分で手を動かして作っているというところが一番大きいと思います。
ー大工の仕事で苦労した経験があれば教えてください。
技術面でも用語面でも覚えることが多岐にわたる上に、全て覚えるのにはかなりの時間を要するところです。大工さんの仕事にはさまざまな作業があるので。そこが楽しいというのも、私にとってはあるんですけどね。
私たちの仕事は同じこと、単純作業の繰り返しではなくて、現場によって作業の内容も変わってくる。だからそこが難しいし、楽しいと思うんです。
ー匠工房の工事部で働く魅力は何だと思いますか?
働く時間が9時から18時とだいたい決まっていること、お休みがきちんとあるところですね。また、キャリアパスに沿って評価を決めていくので、自身の向上心や目標達成次第で、昇給や昇格を目指せるところも魅力のひとつだと思います。大工職でこういったシステムのところは珍しいのではないかと思いますね。
ー工事部の部長として、今後力を入れて取り組みたいこと、目標を教えてください!
今の時代は、大工不足が問題になっています。だから、日本の建築業を担う大工さんを増やすべく、私たちもさまざまな取り組みに関わっています。その中の取り組みのひとつが学校を作ること。
私は工事部の部長として、大工さんの学校を開校するプロジェクトに関わっています。中学校を卒業した生徒さんが主な対象で、高卒の資格を取ることが可能です。卒業後にはそのまま匠工房に入社していただいて、一緒に働くことを想定しています。
大工さんを育てていくにあたって、まずは匠工房が居心地よく働きがいのある職場じゃないといけないですよね。だからまずは今いる若手の社員たちが充実して楽しく働けるようにしたいです。滋賀県の中で大工が一番楽しく働ける職場にしたいですね。ゆくゆくは、社員大工数が県内一位の企業にしていきたいと思っています。
コミュニケーションがお客様の喜びに繋がるから
ー最後に、匠工房の工事部に興味を持つ学生さんに向けて、いくつかお聞かせください。まず、「大工として働くために必要な資質」とは何だと思いますか?
現場での工事をやりきるという責任感はもちろんですが、お客様とコミュニケーションをとる力が必要だと思っています。
大工といえば「手を動かす職人」というイメージが強いかもしれませんが、実はお客様と話す機会が多いんです。お客様が在宅されている現場の場合は現場に入るときに挨拶をしますし、終業の際は作業の進捗確認をすることもあります。また、リフォームの場合、作業をする中でお客様に相談すべきことが出てきたりもするので、その都度お客様と話し合いながら進めるケースもありますね。
コミュニケーションをとることは、経験や知識がなければ難しい部分もありますが、お客様と積極的にやり取りをしていると喜んでいただけることが多いです。私の経験では、お客様との関係が深まるほど仕上がりにも満足していただけることが多く、時間が経ってから追加工事のご依頼をいただいた際に指名していただけることもあります。
そういった積み重ねが仕事の広がりにもつながっていくのだと思います。お客様との関係づくりを大切にしながら、自分たちの手で仕事を広げていけるような姿を目指しています。
ー大工の仕事を目指す上で、学生時代にやっておくと良いことはありますか?
図面を見て理解できるようになっておくとプラスにはなると思います。もし建築関係の学校に通っているのであれば大工さんの技能士資格もあったりするので、建築や大工の仕事にプラスになるような予習ができていたらいいですね。
ただ、入社前に専門的な知識を身につけておく必要はありません。実際は入社してから覚えていくことが多いですし、学校で習ったことと現場で上司や先輩から教わることは全然違うということもあると思います。
ー大工という仕事に興味を持っている学生さんへのメッセージをお願いします。
大工は、家づくりに関わる職人さんの中で一人前になるのに最も時間がかかると思うんです。修行の期間は長いです。でもその分努力を重ねて覚え、一人でできるようになったときの達成感や充実感は何にも代えがたいものがあります。他の業種では味わえない感動が待っていると僕は思っています。お客様からの「ありがとう」や、完成させたというやりがいを持って仕事ができるところがこの仕事の一番の魅力です。ぜひ一緒に、一人前の大工を目指しましょう!
次回はYさんとともに工事部の管理職として部の理念づくりや若手社員の育成に取り組む、課長Aさんのインタビューを公開します。お楽しみに!
工事部では、ともに成長を目指せる仲間を募集しています。社員として大工の仕事をしたい、家づくりに携わりたいと考えている方は、是非こちらの募集要項をご覧になってみてください。あなたのエントリーをお待ちしております!